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BUDDHIST STATUE

仏像修復

REPAIR

REPAIR

仏像修復について

歴史を未来へつなぐ

仏像の歴史は約1500年、その姿は、幾度もの修復を経て現代へと受け継がれてきました。

欠損や彩色の剥落に丁寧に向き合いながら、当時の風合いを守り、信仰の対象としての姿を保ち続けること、それこそが、仏像修復の本質です。

土御門仏所では、漆や膠(にかわ)などの天然素材を用い、素材を傷めることのない伝統的な修復技法を大切にしています。
オリジナルの彩色や金箔の層をできる限り残し、歴史や信仰の重みを損なわないよう慎重に作業を進めます。
見た目の美しさだけでなく、仏像が持つ時間の蓄積や背景にある物語にも目を向けながら、必要に応じて解体や再構成を行い、状態とご要望に合わせた最善の方法をご提案しています。

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FEATURE

土御門仏所の修復技法

天然素材による修復

作られた当時の素材を使い、
伝統的な修復技法で蘇らせます。

土御門仏所では、漆や膠(にかわ)といった天然素材を用い、古来の技法を守りながら仏像の修復を行っています。
接着や彩色も、仏像本来の材質との調和を大切にし、将来的な再修復にも配慮した柔軟な処置を心がけています。
また木地や塗膜の状態を丁寧に見極め、素材に余計な負担をかけない最小限の介入で劣化の進行を防ぎます。
現代的な薬剤や樹脂は極力使用せず、仏像がもつ本来の「形」を損なわない修復を行うことを心がけています。

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オリジナルを大切にする修復

「残す」ことが第一だと、
​​​​​​​私たちは考えます。

仏像には、造られた時代の空気や仏師の想い、長年の信仰の歴史が宿っています。
土御門仏所では、元の造形や表情、彩色の風合いを可能な限り残すことを第一に考えています。
信仰の対象としての品格を損なわず、歴史的価値も丁寧に守りながら、未来へとつないでいく修復を心がけています。

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文化財としての価値を尊重

未来に受け継がれる存在として​​​​​​​

仏像は、地域の歴史や精神文化を今に伝える、かけがえのない証言者です。
私たちは、仏像を文化財として社会全体で守るべき存在と捉え、単なる美観や原状回復にとどまらない修復に取り組んでいます。
古材の状態や痕跡を丁寧に読み解き、変化の記録として後世に手渡せるよう、修復履歴も明確に残します。
修復とは、歴史をなぞることであり、次の時代へと橋を架ける営みでもあります。
土御門仏所は、その責任を胸に刻みながら、一像一像と向き合っています。

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長年寄り添ってきた仏像には、時を超えて受け継がれてきた祈りがあります。
土御門仏所では、その想いを大切にしながら、信仰のよりどころとして再び息づくよう丁寧に修復いたします。
小さな傷みでも、どうぞお気軽にご相談ください。

現地での仏像のメンテナンスと、
​​​​​​​調査サービスを行っております。

仏さまに、これからも穏やかな時を、
​​​​​​​重ねていただくために。

仏像のクリーニング

ほこりや汚れを丁寧に取り除き、仏像本来の風合いを保ちます。
素材や仕上げに応じた方法で、傷めないよう慎重に作業します。

傷み・劣化のチェック

ヒビや虫食い、塗装の剥がれなど、将来の損傷リスクを早期に発見し、必要に応じて修復のご提案も行います。

年代・素材の簡易調査

仏像の歴史的背景を探るため、構造や技法、素材を確認し、参考資料として記録します。

3Dスキャンの記録保存

仏像の形状をデジタルデータとして保存いたします。
災害や紛失時の復元や、今後の修復・研究にも役立ちます。

ご本尊や寺宝を末永く守るためには、継続的なメンテナンスが大切です。
状態の良い今だからこそ、将来に備えて定期的なチェックや記録を行っておくことをおすすめします。
土御門仏所では、現地出張による対応も行っており、日本全国どこでもご相談いただけますので、お気軽にご相談ください。(出張費別途)

背景

FLOW

修復の流れ

修復工程について​​​​​​​

クリーニング

長い時を経て積もった埃を、
​​​​​​​丁寧に払い落とします。

まずは仏像全体に蓄積した埃や汚れを、柔らかな筆や布を使って丁寧に取り除きます。
この工程は、素材や彩色を傷つけないよう細心の注意を払いながら行う、大切な第一歩です。

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彩色の剥落止め

今ある彩色や金箔を、
​​​​​​​これ以上失わないように守る工程です。

表面の彩色や金箔がヒビ割れたり浮き上がっている場合、それ以上の剥落を防ぐため、膠(にかわ)などの天然素材を使ってしっかりと押さえます。
オリジナルの美しさを守りながら、仏像の状態を安定させる重要な処置です。

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欠損部・虫喰い部の修復

失われた部位や虫食いで傷んだ箇所を新しく作り直します。

指先や装飾、持物、台座などは、長い年月の中で欠けてしまうことがよくあります。
また木製である仏像は、虫害により内部の強度が弱くなっている場合もあります。
その場合はヒノキで新たに欠損部を作り、虫喰い部にはコクソ漆を用いて丁寧に埋め直します。

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解体・再接着

弱った接着箇所を解体し、新たに接着し直します。

寄木造りの仏像は、各部材を膠(にかわ)で接着して組まれています。
長い年月でその接着力が弱くなり、離れてしまうこともあります。
必要に応じて一度解体し、再度正確に接着し直すことで、仏像としての構造を再び安定させます。

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補彩・古色

修復した箇所を現存する部分に馴染むよう彩色します。

補修や再接着を終えた後、剥がれた彩色や欠損部に合わせて、岩絵具や漆、金箔を用いて元の色味に調和するよう補彩を施します。
必要以上に塗り直さず、あくまで「時を経た美しさ」を大切にした仕上げを行います。

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記録を残す

後世に向けて記録を残します。

仏像の修復は、その仏像の「歴史」を次代へつなぐ仕事でもあります。
修理工程の記録を詳細に文書化し、報告書としてお渡しするほか近年では3Dデータによる記録保存も行っております。
これにより、将来の修復や保存にも役立つ確かな記録を残します。

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WORKS

修復事例

仏の美しさを未来へつなぐ、
​​​​​​​修復のかたち。